6月2日に開催されるクイズの世界大会・WQC2018まであと少しとなりました。
今回はWQC直前ということで、worldquizinfoさんに世界の強豪プレイヤーをご紹介いただきます。
なおこの記事は、世界のクイズ情報を日本にお伝えするためのものであり、IQAやJQAが特定のクイズプレイヤーを応援するものではありません。
同じ理由により、日本国内のプレイヤーについても触れないこととしました。
また、各プレイヤーはこれまでの実績をもとに紹介されているため、それぞれがWQC2018にエントリーしているとは限らないことをご承知おきください。
それでは、ごらんください。
こんにちはworldquizinfoです。WQC直前ということで、世界の強豪クイズプレイヤーを紹介します。
名前に続くシャープ付きの数字は、WQC2017における世界ランキングを表しています。
[イングランド]
Kevin Ashman (#1)
世界チャンピオン(WQC優勝)、ヨーロッパチャンピオン(EQC優勝)、全英チャンピオン(BQC優勝)にそれぞれ6度輝き、名実ともに世界一の呼び声高いクイズプレイヤー。クイズ番組MastermindとBrain of
Britainの史上最高得点記録も保持している、まさにクイズ界のレジェンドである。公務員として働く傍らクイズ番組に参加していた生活を経て、現在はプロのクイズプレイヤーとしてBBCのクイズ番組Eggheadsや各種大会で活躍している。
Pat Gibson (#3)
アイルランド出身。過去4度の世界チャンピオン(WQC優勝)、3度の全英チャンピオン(BQC優勝)に輝き、昨年初めてヨーロッパ選手権(EQC)個人戦を制した。イギリスではこれら3つの大会を制することは「キャリアグランドスラム」と呼ばれる。Ashman氏と同じくEggheadsに出演するプロのクイズプレイヤーである。
Olav Bjortomt (#13)
世界選手権(WQC)で2度、EQC個人戦で3度の優勝を果たした、イングランドを代表するクイズプレイヤー。クイズ番組The ChaseやUniversity Challengeで問題作成を担当しているプロのクイズ作家でもある。
[ウェールズ]
Mark Grant (#10)
安定して好成績を残しているウェールズの強豪。BBC Radio 4のクイズ番組Brain of Britainの2014年チャンピオンであり、今年2月に行われたチャンピオン大会Top Brain 2018でも優勝を飾った。
[アイルランド]
Mark Henry (#20)
国際大会で実績を残してきたアイルランドクイズ界の第一人者。Irish Open 2016のチャンピオン。先月開催されたケルト諸国選手権(CNQC)個人戦では3連覇を達成した。
[ベルギー]
Ronny Swiggers (#5)
2013年のヨーロッパチャンピオン(EQC優勝)。WQCでは過去2回2位になっている実力者。新聞・雑誌・ウェブサイトの情報に基づく鉄壁の知識を武器に、長年世界のトッププレイヤーの一人として活躍している。
Tom Trogh (#4)
ベルギーの若手トッププレイヤー。国内選手権にあたるOVKで3連覇中であり、WQCでも2015年、2017年に国内1位を獲得した。
[フランス] Didier Bruyère (#2)
イギリス在住。ここ数年で急速に実力をつけている、今大会の優勝候補。British Open 2016のチャンピオン。WQCの前哨戦ともいえる先月のNorway Openで初優勝を果たした。本業は科学者。
[ノルウェー] Thomas Kolåsæter (#15)
ドイツ在住。ノルウェー選手権を4連覇中であり、ツイッターのbioにあるように"Norges beste quizzer"を体現している。国際大会でも活躍しており、2014年、2015年のNorway
Open、2015年の北欧選手権(NQC)個人戦で優勝している。Jaget(ノルウェー版The Chase)やQuizDanなどのクイズ番組への出演経験もある。
[フィンランド]
Tero Kalliolevo (#7)
NQC個人戦を2度制した、北欧最強のプレイヤー。Norway Openでは4度の優勝経験がある。普段はノキア社でエンジニアとして働いている。
[エストニア]
Ove Põder (#9)
WQC2015では5位に入った北欧の強豪。農業省で働きながら、エストニアのトッププレイヤーとして活躍している。
Igor Habal (#11)
Põder氏とともにエストニアを代表するプレイヤー。今月開催されたNQC個人戦で優勝し、国際大会の個人戦で初めてタイトルを獲得した。
[ドイツ]
Holger Waldenberger (#12)
2012年のヨーロッパチャンピオン(EQC優勝)。身長が190cmあり、一見格闘家のような体格ながら実は有名なクイズ王である。昨年までクイズ番組Gefragt – Gejagt(ドイツ版The Chase)に出演していた。
[クロアチア]
Dorjana Širola (#18)
イギリス在住。University ChallengeとUniversity Challenge: The Professionalsの2つのシリーズで優勝した唯一の人物として知られる。WQC2005では全体6位に入り、女性として史上最高位を獲得した。昨年にはCroatian
Openで初優勝を果たすなど、女性トッププレイヤーとして活躍している。Anne Hegerty氏が番組で「私は世界で2番目の女性クイザーだ」と発言して話題になったことがあるが、世界で1番の女性クイザーとはŠirola氏のことを指している。
[アメリカ]
Steven Perry (#14)
昨年から始まったSquizzedの初代年間チャンピオン。2013年にGerman Openで優勝し、WQC2014では同じくヴァージニア大学卒業生であるVikram Joshi氏(インド)に次いで2位(アメリカ人史上最高位)に入った。
Tim Polley (#6)
昨年のWQCでアメリカ国内1位、30歳以下世界一に輝いた。クイズボウル経験者の多いアメリカのクイズ界の中で、大学に通っておらず独学でクイズを学んだ彼は珍しい存在だが、Steve Perry氏、Raj Dhuwalia氏、Mark Ryder氏らと並ぶアメリカのトッププレイヤーとして活躍している。
Raj Dhuwalia (#16)
Quiz Olympiad個人戦で5位に入った強豪。大学時代には4年連続でICT All-Starに選ばれた名クイズボウラーであり、Who Wants to Be a Millionaire?などのクイズ番組でも活躍した。
Mark Ryder (#17)
60歳を超えてなお第一線で活躍する大ベテラン。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授を務めており、講義でトリビアやクイズの話題を出すこともあるとか。専門は口腔顔面科学。
[カナダ]
Eric Smith (#53)
WQCで20位以内に入ったこともある強豪。かつて大学クイズボウルでも活躍した。
[オーストラリア]
Issa Schultz (#70)
同国のクイズ界を牽引するプレイヤー。クイズ番組The Chase Australiaに出演している。ニックネームは“The Supernerd”(超オタク)。
[インド]
Dr. S. Bhattacharya (不参加)
WQCで30位以内に入ったこともあるインドのトッププレイヤー。昨年は不参加。
[マレーシア]
Movin Miranda (#36)
インド出身。地元マレーシアや香港などで、学生向けのクイズ大会を主催している。
上にあげたのは現役のプレイヤーたちですが、過去の偉大なプレイヤーも3人紹介しておきます。
Mark Bytheway (イングランド)
2008年の世界チャンピオン(WQC優勝)で、2009年の全英チャンピオン(BQC優勝)。イングランドのナショナルチームでも活躍した。2010年、46歳で永眠。全英選手権(BQC)の優勝トロフィーは、彼に敬意を表してMark Bytheway Trophyと呼ばれる。
Jesse Honey (イングランド)
2012年にWQCとBQCの二冠を達成した伝説のプレイヤー。WQC優勝時の得点186は現在でも史上最高得点タイ記録。家族や仕事との折り合いがつかず、引退。
Vikram Joshi (インド)
2014年の世界チャンピオン(WQC優勝)。イギリス在住者以外で初めて世界チャンピオンの座を手にした。同年MindSweepでも優勝に輝き、Norway Open
2016では並み居るヨーロッパの強豪を抑えて2位に入るなど、アジア人プレイヤーとして初めて世界のトップレベルで渡り合った。今年4月、41歳の若さでこの世を去った。
いかがでしたか。世界中のプレイヤーと戦える機会でもあるWQC2018、今年はどんな結果になるか楽しみですね。